イントロダクション

大切な人を思い出す家族の愛の物語

家族に「愛している」と伝えられることが、どれだけ幸せなことなのか—。当たり前だと思っていた日常をとても愛おしく感じる、家族を大切に想える映画が誕生しました。『あいあい傘』は、逢いたいのにずっと逢えずにいた父と娘の愛にあふれた5日間の物語です。

恋園神社のある小さな田舎町。年に一度の祭りが近づいた日、さつきは25年前に姿を消した父の六郎を探しにその町へやって来ます。宿に向かう途中、偶然にも六郎を知るテキ屋の清太郎と出会ったさつきは、「祭りの取材をしたい」と嘘をついて彼に町案内してもらうことに。清太郎を通じて、六郎がどんな生活を送っているのかを知ったさつきは、意を決して、父の新しい家族、奥さんの玉枝と彼女の一人娘に会いに行こうとします。

お互いを想いながらも一緒に暮らすことができなかった、さつきと六郎の葛藤。そして、彼らを支える人々─六郎をあたたかく迎え入れた玉枝の深い愛情、さつきに運命を感じた清太郎の真っ直ぐな恋心、六郎とさつきを陰ながら応援するテキ屋の仲間たちの優しさ……個性的なキャラクターたちの人情喜劇に笑い、相手を思いやる姿にほっこりさせられ、やがて訪れる父と娘の予想を超える結末に涙が止まらなくなるはずです。

主人公のさつきを演じるのは、倉科カナ。父に対する喜怒哀楽を何とも人間くさく豊かに演じています。さつきと運命的に出会い恋をするテキ屋の清太郎を市原隼人、25年逢えずにいる娘と新しい家族の間で揺れ動く六郎を立川談春、六郎を支えながらお茶屋「恋園庵」を営む玉枝を原田知世が演じ、ほかにも入山杏奈、高橋メアリージュン、やべきょうすけ、永井大、トミーズ雅など、実力派がしっかりと脇を固めます。

監督は、役者・演出家・脚本家として活躍する宅間孝行。2012年まで主宰していた劇団「東京セレソンデラックス」の隠れた名作であるこの「あいあい傘」を、もっと多くの人に届けたいという熱い想いで映画化に挑みました。また、この映画のために竹内まりやが書き下ろした主題歌「小さな願い」は、大切な人の幸せを願う曲。父と娘の5日間のラストをあたたかな愛情で彩ります。

大切な人に会いたくなる、「いつもありがとう」と伝えたくなる、そんな家族の愛の物語『あいあい傘』が、この秋、大人たちをやさしい涙で包み込みます。

ストーリー

25年ぶりにめぐり逢った父と娘のたった5日間の物語

 愛する妻と娘との日々を思い返しながら、六郎は電車に乗り、小さな田舎町に降り立つ。夕立が来そうな雲行きのなか、さまよい歩き、恋園神社にたどり着く。神社の一角にあるお茶屋「恋園庵」の女将・玉枝は、六郎の思い詰めたような姿が気になり跡を追い、悲しそうにたたずむ彼にそっと傘を差し出した。そんな六郎の姿を少し離れたところからずっと見つめる視線があった—。

それから25年後。六郎(立川談春)は、あの夏の日の出会いをきっかけに、玉枝(原田知世)と彼女の一人娘の麻衣子(入山杏奈)と生活をともにしていたが、麻衣子との関係は上手くいかず悩んでいた。そして年に一度の夏祭りの日が近づいていたある日、運命が動き出した。

 父・虎蔵(永井大)の跡を継いでテキ屋になった清太郎(市原隼人)は、仲間の日出子(高橋メアリージュン)と力也(やべきょうすけ)を引き連れて、今年もまた恋園神社を訪れる。同じ頃、さつき(倉科カナ)もその田舎町にやって来た。彼女の旅の目的は、25年前に姿を消した父の六郎を探すためだった。死んだと聞かされていた父親が生きていることを知り、どうして会いに来ないのか、一体どんな暮らしをしているのかを確かめに来たのだ。

宿に向かう途中、偶然にも六郎を知る清太郎と出会ったさつきは、夏祭りの取材をしたいと嘘をついて彼に町を案内してもらうことにする。しかし、人の良い清太郎を利用して父親を探そうとしているのが心苦しくなり、町にやってきた本当の理由を告げる。

 昔から知っている六郎や玉枝を傷つけたくないけれど、さつきの願いも叶えてあげたい─清太郎は、六郎が経営する東雲学習塾、玉枝が営む恋園庵、麻衣子が働く恋園神社を案内する。六郎に新しい家族がいる、その事実にさつきはショックを受け、それまで押さえてきた怒りと悲しみの感情を清太郎たちにぶつけてしまうのだった。そんななか、さつきのことを探している車海老(トミーズ雅)という謎の男も町へやって来て、夏祭りを目前に田舎町は次第に慌ただしくなっていく。

さつきと六郎はどんな再会を果たすのか、さつきと清太郎の出会いは運命だったのか。それぞれの想いが、愛する人に届けられようとしていた。

人物相関図

人物相関図

キャスト

  • 倉科カナ 高島さつき

    1987年12月23日生まれ、熊本県出身。連続テレビ小説「ウェルかめ」(09〜10/NHK)のヒロインを演じ注目を集める。その後、数々の映画、TVドラマに出演。多彩な役柄を演じる実力派女優として活躍。主な出演作に、映画『夢売るふたり』、(12/西川美和監督)、『キッズ・リターン 再会の時』(13/清水浩監督)、『ジ、エクストリーム、スキヤキ』(13/前田司郎監督)、『珍遊記』(16/山口雄大監督)、『3月のライオン』(17/大友啓史監督)、TVドラマ「刑事7人」シリーズ(15、16、17/EX)、「奪い愛、冬」(17/EX)、「春が来た」(18/WOWOW)など。TVドラマ「刑事7人」(EX)が放送中。本作が5年ぶりの主演作となる。

  • 市原隼人 雨宮清太郎

    1987年2月6日生まれ、神奈川県出身。2001年『リリイ・シュシュのすべて』(岩井俊二監督)で映画主演デビュー。2004年、『偶然にも最悪な少年』(グ・スーヨン監督)で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。TVドラマ「ROOKIES」(08/TBS)、映画『ROOKIES-卒業―』(09/平川雄一朗監督)が大ヒット、社会現象を巻き起こした。近年の出演作に、映画『ホテルコパン』(16/門馬直人監督)、『無限の住人』(17/三池崇史監督)、大河ドラマ「おんな城主 直虎」(17/NHK)、TVドラマ「明日の君がもっと好き」(18/EX)などがある。近年はフォトグラファーとしての活動開始。今後の待機作にミュージカル初出演となる「生きる」(10月8日よりTBS赤坂ACTシアターにて上演)がある。

  • 立川談春 東雲六郎

    1966年6月27日生まれ、東京都出身。1984年、立川談志に入門。1997年、真打に昇進。『文七元結』『芝浜』などの人情噺を得意とする、今一番旬な人気落語家。活躍の場は落語界にとどまらず、2008年に刊行された談志との師弟関係を綴った自伝エッセイ「赤めだか」は第24回講談社エッセイ賞を受賞。2015年にはTBSでスペシャルドラマとして放送された。映画『忍びの国』(17/中村義洋監督)、TVドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」(14/TBS)、「下町ロケット」(15/TBS)などの映像作品では確かな演技力で存在感を提示し、俳優としても注目される。待機作に2019年公開予定の映画『七つの会議』がある。

  • 原田知世 松岡玉枝

    1967年11月28日生まれ、長崎県出身。1983年、映画『時をかける少女』(大林宣彦監督)でスクリーンデビュー。以降、多数の映画、ドラマに出演。そしてドキュメンタリー番組などのナレーションを担当するなど幅広く活躍。また、歌手としてもデビュー当時からコンスタントにアルバムを発表。鈴木慶一、 トーレ・ヨハンソン、伊藤ゴローなどさまざまなアーティストとのコラボレーションが話題に。主な出演作に映画『落下する夕方』(98/合津直枝監督)、『サヨナラCOLOR』(05/竹中直人監督)、『紙屋悦子の青春』(06/黒木和雄監督)、『しあわせのパン』(12/三島有紀子監督)、TVドラマ「紙の月」(14/NHK)、「運命に、似た恋」(16/NHK)、「不発弾~ブラックマネーを操る男~」(18/WOWOW)などがある。連続テレビ小説「半分、青い。」(18/NHK)に出演。

  • 入山杏奈 松岡麻衣子

    1995年12月3日生まれ、千葉県出身。2010年3月、AKB48第10期生オーディションに合格し、6月に劇場デビュー。2014年、映画『青鬼』で映画初出演にして初主演を務める。主な出演作はTVドラマ「64(ロクヨン)」(15/NHK)、「緊急取調室」(17/EX)、「不発弾~ブラックマネーを操る男」(18/WOWOW)、舞台「歌姫」(16)などがある。メキシコの新TVドラマシリーズ「L.I.K.E」に日本人キャストとして出演することが決定。

  • 高橋メアリージュン 福田日出子

    1987年11月8日生まれ、滋賀県出身。2003年「横浜・湘南オーディション2003」でグランプリを獲得。翌2004年から2012年まで「CanCam」の専属モデルを務めた。女優としても活躍の場を広げ、様々な役に挑戦している。主な出演作に映画『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最後編』(14/大友啓史監督)、『闇金ウシジマくん』シリーズ(14、16/山口雅俊監督)、『新宿スワンⅡ』(17/園子温監督)、TVドラマ「コウノドリ」(17/TBS)、「あなたには帰る家がある」(18/TBS)などがある。

  • やべきょうすけ 竹内力也

    1973年11月12日生まれ、大阪府出身。2007年、映画『クローズZERO』で第17回日本映画批評家大賞助演男優賞を受賞。俳優として活躍する傍ら演出家、プロデューサーも務めマルチな才能を発揮している。主な出演作に映画『闇金ウシジマくん』シリーズ(12、14、16/山口雅俊監督)、『夢売るふたり』(12/西川美和監督)、『モンスター』(13/大九明子監督)、『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE(13/佐久間宣行監督)、『天空の蜂』(15/堤幸彦監督)、『銀魂』(17/福田雄一監督)などがある。

  • トミーズ雅 車海老貫一

    1959年12月24日生まれ、大阪府出身。1982年トミーズ健と「トミーズ」結成、1983年デビュー。同年、第14回NHK上方漫才コンテスト最優秀賞を受賞。情報番組「せやねん」にレギュラー出演中。俳優としての活動は映画『花よりもなほ』(06/是枝裕和監督)、『サイドカーに犬』(07/根岸吉太郎監督)、『ほしふるまち』(11/川野浩司監督)、『神さまの言うとおり』(14/三池崇史監督)などがある。

  • 永井大 雨宮虎蔵

    1978年5月20日生まれ、新潟県出身。2000年俳優デビュー。以降、映画・TVドラマ、舞台に出演。シリアスからコメディまで幅広い役柄を演じ分ける。主な出演作は映画『偶然にも最悪な少年』(03/グ・スーヨン監督)、『特命係長 只野仁 最後の劇場版』(08/植田尚監督)、TVドラマ「サラリーマン金太郎」シリーズ(08、10/EX)、「恋仲」(15/CX)、「遺留捜査」(17、18/EX)「マチ工場のオンナ」(17/NHK)、舞台「放浪記」(15)、「わらいのまち」(17)などがある。

  • 金田明夫 代議士

    1954年10月13日生まれ、東京都出身。1977年に「演劇集団円」会員昇格し、数多くの舞台・映画・TVドラマに出演し、幅広く活躍中。また、声優として映画『スター・ウォーズ』シリーズの吹き替えも務める。近年の出演作では、映画『デスノート Light up the NEW world』 (16/佐藤信介監督)、『リップヴァンウィンクルの花嫁』(16/岩井俊二監督)、TVドラマ「民王」(15/EX)、「東京タラレバ娘」(17/NTV)、 舞台「くちづけ」(10)、「鴎外の怪談」(14)などがある。

  • 大和田獏 製薬会社のドン

    1950年10月13日生まれ、福井県出身。1973年俳優デビュー。1998年から2009年まで11年間、情報・ワイドショー番組「ワイド!スクランブル」(EX)の司会を務めた。近年の出演作は、映画『ろくでなし』(17/奥田庸介監督)TVドラマ「ボクの妻と結婚してください」(15/NHK BSプレミアム)、「ナポレオンの村」(15/TBS)、「花咲舞が黙ってない」(15/NTV)、「警視・捜査一課長」(17/EX)、「遺留捜査」(17/EX)、「孤独のグルメ season7」(18/TX)など多数。

  • 布川隼汰 船田知之

    1992年8月25日生まれ、東京都出身。2007年TVドラマ「3年B組金八先生 第8シリーズ」(TBS)で俳優デビュー。以降、映画、TVドラマ、舞台など数多く出演。情報番組「スッキリ」(NTV)にてレポーターを務めるなど、活躍の場を広げている。主な出演作に映画『余命』(09/生野慈朗監督)、『チェイン』(14/細井尊人監督)、TVドラマ「愛讐のロメラ」(08/CX)、「夜のせんせい」(14/TBS)、舞台「くちづけ」(15)、「流れる雲よ」(16)、「トライアングル~人生最後の日~」(16)などがある。

  • 越村友一 滑川秀樹

    1979年5月22日生まれ、埼玉県出身。 東京セレソンデラックス元劇団員で宅間孝行作品には多数出演している。タクフェス作品は、「夕」(14)「歌姫」(15)「ひみつ」(17)「笑う巨塔」(18)に出演。舞台版「あいあい傘」にも滑川秀樹役として出演予定。最近の主な映画出演作は『ノアの箱車』(13/清水健太監督)、『龍三と七人の子分たち』(15/北野武監督)、『けんじ君の春』(15/森田亜紀監督)『新宿スワン』(15/園子温監督)、『海賊と呼ばれた男』(16/山崎貴監督)、『グッドモーニングショー』(16/君塚良一監督) など。

  • サブリナ・サイン エレーナ

    1990年1月1日生まれ、トルコの地中海地方(アンタリア近く)出身。11歳の時に初めてアニメで見た「美少女戦士セーラームーン」に衝撃を受け、アニメを通じて主題歌なども調べるようになるうちに日本に興味を持ち始めた。高校卒業後、2011年に来日。当初から日本に来てアイドルになるという夢があり、念願叶ってアイドルユニット「恥じらいレスキューJPN」のメンバーとして2年間活動。今作で本格的に映画出演をしたことがきっかけで芝居に興味を持ち、現在はテレビを中心に活動しながら演技も勉強中。初舞台となる「CLAP! CLAP! CLAP! 」(18)にも出演。

監督

監督 宅間孝行

1970年7月17日生まれ。東京都出身。タクフェス主宰。俳優・脚本家・演出家。97年、劇団「東京セレソン」を旗揚げ。後「東京セレソンデラックス」と改名。2012年に劇団を解散、13年、「タクフェス」を立ち上げる。役者としてドラマや映画に多数出演する一方、脚本・演出家(09年まではサタケミキオ名)としても活動。主な脚本作品は「花より男子」シリーズ、劇団作品の映像化としてはドラマ「歌姫」、「間違われちゃった男」、映画『くちづけ』など。2008年『同窓会』では初監督・脚本・主演を務め、映画『全員、片想い』内の短編「サムシングブルー」(16)では監督・脚本を務めた。

主題歌

主題歌 竹内まりや

1978年11月、シングル「戻っておいで・私の時間」でデビュー。「September」「不思議なピーチパイ」などがヒット。結婚後は作家としても「元気を出して」「駅」など多くの作品を他アーティストに提供しながら、1984年に自らもシンガーソングライターとして活動を再開。以降、独自のスタンスで音楽活動を続けている。1994年のベスト・アルバム『Impressions』が350万枚の大ヒットを記録し、その後も『Quiet Life』『Bon Appetit!』とミリオンセラー・アルバムを発表。デビュー30周年の2008年にリリースしたコンプリート・ベスト・アルバム『Expressions』 もミリオンを達成している。2014年に発表したアルバム『TRAD』は、第56回日本レコード大賞「最優秀アルバム賞」を受賞。また、33年ぶりとなる6都市9公演の全国ツアーも行い、約75,000人を動員した。2015年、「第6回 岩谷時子賞」を受賞。これまでに発表してきたたくさんの楽曲が、今でも世代を超えて多くの人々の支持を得ている。2018年11月にデビュー40周年を迎えることとなる。

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